あまりものレシピ

期限切れかけの生クリーム|捨てる前に試すずぼら消費レシピ4つ

前回の記事の最後に、生クリームのことを書いた。「行き先を、そろそろ本気で考えないといけない」と。

正直に白状すると、わが家の生クリームは、たいてい同じ末路をたどる。デザートを作ろうと思って買う。でもデザート作りは生活の動線にない。気づくと、賞味期限が目前。「あ、これ使わないともったいない」となって、はじめて慌てる。

つまり私が必要としているのは、おしゃれな生クリームレシピじゃない。期限が切れかけて、今すぐ消費しないともったいない動物性生クリームを、計画ゼロ・手間ゼロで腹に入れる方法だ。

このブログが目指しているのは、たぶんここだ。

捨てるぐらいなら、とりあえず腹に入れる。

立派な一品にしようとするから、続かない。「これくらいならやってもいいか」と思える、ずぼらな出口があればいい。今回はそれを探した記録。実際に試したのはまだ一つだけなので、半分は「これから試す候補」だ。正直に書く。


まず、唯一の実体験=バナナジュースの空振り

実際に試したことがあるのは、ひとつだけ。バナナジュースだ。

バナナと牛乳をミキサーにかけただけの生ジュースに、余りそうな生クリームを少し入れてみた。結果は――入っているのかどうか、わからなかった。

味がほとんど変わらない。コクが増した実感もない。「これなら、わざわざ入れる意味がないな」と思って、それきりやっていない。

やり方が悪かったのか? としばらく思っていた。でも調べたり考えたりするうちに、たぶん腕の問題じゃなかったと気づいた。

理由はこうだ。バナナジュースは、バナナ自体にすでに強い甘みと、とろみと、はっきりした香りがある。そこへ生クリームを「少し」入れても、バナナの風味が主役すぎて、生クリームのコクが完全に埋もれる。量でも負けている。

生クリームの乳脂肪のコクは、それ単体だと物足りない・薄い液体に入れたときに、いちばんはっきり「お、まろやかになった」とわかる。すでに濃くて主張の強い相手に足すと、変化が見えない。

組み合わせる相手を、間違えていただけだった。

この発見が、残りの候補を選ぶ軸になった。「薄いもの、淡いものほど、生クリームが効く」


緊急避難レベル1:薄い飲み物に溶かす(いちばん手間ゼロ)

バナナジュースの反省を裏返すと、答えが出る。薄い飲み物に入れる。

インスタントコーヒー、ブラックに近いココア。こういう「単体だと少しそっけない液体」に生クリームを回し入れると、コクが一番わかる。カフェのカフェオレが、まろやかなのと同じ理屈だ。

これは料理ですらない。コップに注ぐだけ。「とりあえず腹に入れる」の最小単位として、まずここから試そうと思っている。朝のコーヒーに毎回少し足していけば、期限内に地味に減っていくはずだ。

(これはまだ試していない。次にやるのはこれだと決めている。)


緊急避難レベル2:今夜の料理に、最後に注ぐ

新しい料理を作る気力はない。でも、今夜すでに作る予定の料理に足すだけなら、できる。

カレー、シチュー、スープ、ポタージュ。仕上げに生クリームを回し入れると、それだけでコクとまろやかさが出る。味噌汁にも、じつは少量なら合うらしい(前回、味噌汁は最強の出口だと書いた。生クリーム入り味噌汁は、まだ勇気が出ていないけれど)。

ポイントは、献立を変えないこと。生クリームのために何かを作るのではなく、今日作るものに最後の一手間として足す。これなら「これくらいなら」と思える。


緊急避難レベル3:パンにかける・のせる

うちにデザート動線はない。でも、朝食はある。

トーストに、砂糖を少し混ぜた生クリームを塗る。あるいはそのままかける。フレンチトーストの液(卵+牛乳)に生クリームを混ぜれば、いつもより少しリッチになる。

デザートとして完成させようとすると動線から外れるけれど、すでにある朝食に乗せるだけなら、続けられそうだ。これも次の週末あたりに試す候補。


緊急避難レベル4:どうしても今日使えないなら、冷凍で時間を止める

今夜のうちに、どうしても使えそうにない。そういうときの最終手段が冷凍だ。

ただし注意がいる。動物性の生クリームは、凍らせると分離しやすい。解凍してホイップに戻す、という使い方には向かない。

だから狙いは「ホイップ用に戻す」ではなく、製氷皿などで小分けにして凍らせ、後日のカレーやスープに放り込む用にすること。これなら分離は気にならないし、コクづけの素材として無駄なく使える。

ただ――前に書いたことを、自分に言い返しておく。

賞味期限が長いことが、逆にロスの原因になっている。 本当の敵は腐敗じゃなくて忘却。

冷凍は時間を止めてくれるけれど、止めたまま忘れたら同じことだ。冷凍庫の奥で凍ったまま忘れられた生クリームほど、悲しいものはない。冷凍は「延命」であって「解決」じゃない。そこは正直に置いておく。


立派じゃなくていい。腹に入れば、それでいい

並べてみて思った。どれも、レシピと呼ぶには情けないくらい簡単だ。飲み物に入れる、料理に注ぐ、パンに塗る、最悪は凍らせる。

でも、それでいい。

生クリームを余らせる人は、たぶん「ちゃんとしたお菓子を作らなきゃ」と思って、結局何もできずに期限を迎える。私がそうだった。「作りたい気持ちだけが、冷蔵庫の中で熟成していく」のは、もう何度も経験した。

だから、ハードルを思いきり下げる。捨てるぐらいなら、コーヒーに入れて飲む。 それで十分、ロスは減る。

まずはレベル1、明日の朝のコーヒーから試す。結果がどうだったかは、また書く。空振りでも、正直に書く。バナナジュースのときみたいに。

 

 

 

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