こんにちはtokudaiです
やっぱり、住み心地のいい家に住みたいですよね。
住み心地のいい家を作るには、まず家の断熱計画は本当に大切です。
だけど断熱といっても、いろんな会社がいろいろな工法や断熱材を使っているので、何をどう選んでいいのやら、迷うと思います。
いやむしろ建築計画ではあまり表だって出てこず、工務店やメーカーの標準仕様というものが決まっていて、あまり考えてもせず間取の話ばかりになっているのではないでしょうか。
建ててからでは簡単に変更できないのが断熱です。
快適でランニングコストにも関わってくる断熱にもう少しフォーカスしてみましょう。
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日本の断熱の歴史
断熱材の話にいきなり行く前に、
日本の住宅事情で断熱はどのように行われてきたのか、その歴史から振り返ってみます。
そうすれば、いい断熱がよくわかるようになります。
工業化が始まった日本の住宅
日本の断熱施工の歴史はそれほど古くなくここ20~30年の話になります。
それまで日本の住宅は夏の涼しさを取り入れる開放的な家が主体であり、冬場は部分的に暖を取り過ごしてきました。
近代的な建築がはじまったきっかけが、1948年の都市防災を目的とした建築基準法の制定です。
この法律で屋根を不燃材料で葺くことと、外壁を防火構造にすることが決まりました。
このころからハウスメーカーができ工業化された住宅が建てられるようになってきました。
もちろん古来からの建築もスキマだらけで快適な家とは言えませんでしたが、
自然素材を多く取り入れられていた住宅だったので、高機能ではないがある程度断熱や遮熱が考えられていました。
それがより工業化され規格化された家造りへと変わった時期なのです。
省エネから断熱が注目されるようになった
次の変化は、1970年頃の高度成長期の時代になります。
このころ、オイルショックでの石油資源の節約とエアコンという家電製品の普及に伴い、家の断熱にも注目されるようになりました。
そして行政の指針が住宅業界に影響を与えました。
・1979年省エネ法が制定
・公庫融資に断熱を義務化
これらをきっかけに断熱基準が作られ住宅の断熱化が始まったのです。
断熱初期の問題
ですが、その副作用が出て来ました。
断熱をすると家の内外での温度差が大きくなりましたが、気密性、換気、湿度のコントロールが全く考えられていませんでした。
その結果住宅内で結露が起こり、住宅内で、カビや菌が繁殖し著しく住宅の寿命を縮めてしまいました。
その大きな事件が北海道で起きたナミダタケ事件です。
その当時建てられた木造の断熱化した家が新築後数年で床下にナミダタケが発生し腐り落ちるという事件です。
この事件がきっかけで住宅には断熱だけでは不十分で、結露対策が必要だとわかりました。
断熱と気密対策
次の段階として壁体内での結露防止対策や、気密をあげる施工方法が開発されるようになってきました。
それでも当初は北国の断熱性能が必須の地域でのみ研究が活発に行われた程度です。
その後住宅性能向上の為、省エネ基準もより厳しくなりました。
・1992年の新省エネ法
住宅の施工に断熱施工が必要になってきた
1999年次世代省エネ法
断熱が入っているだけでなくより効果的に考えられるようになってきました。
断熱の基本
住宅の断熱が当たり前になり、その効果機能が考えられる様になりやっと最近その結果が出て来たように感じます。
そういう意味でまだ施工法は安定しておらず施工法が多種多様にあふれている状態であることは否めないと思います。
そこで快適な温熱環境を手に入れる為に考えなければいけないことは
熱の移動を少なくすること(断熱と気密性)
湿度の管理をすること(換気)になります。
断熱の歴史にもあったように断熱材を施工すればいいのではなく、熱と空気の流れ全体を考えなければいけません。
そして重要な点が空気中の水分の変化によりカビ、菌の発生を助長してしまうので、それを防ぐ手立てが必要です。
まず結露の起こる原理は、水蒸気は気温が高ければ空気中に存在できる水分量は多く、
気温が低ければ少なくなる。
特に冬場の活動中は暖房がきいて室温が高く、料理や加湿器からの水蒸気が空気中に保持されているものが、室内の低い表面温度の所や夜寝る際暖房を切り温度が低下した際に結露として水になります。
それがサッシ廻りなら目に見えて掃除もできるが、壁体内や断熱材に結露するとカビの原因や構造材の腐朽や錆の原因、断熱機能の低下になるので、問題は深刻になります。
そこで必要になるのが、室内側の防湿、壁内への透湿と通気で湿気を排出する機能です。
断熱材の種類と断熱方法
断熱方法には大きく2つの方法があります。
外貼り断熱と充填断熱(内張り断熱)です。
それぞれに利用される材料とメリット・デメリットを見てみましょう。
内張り断熱
繊維系断熱材
自然系断熱材 羊毛、炭化コルク等
メリット
構造材の厚み分の断熱材が入れれるので、外貼り断熱よりも比較的厚めの断熱材が利用できる
低コストな繊維系の断熱材が利用できる
繊維系は低価格で一番普及している
自然素材は高価になるが調湿性能がある
デメリット
鉄骨の場合外の寒さを伝えてしまうので、結露を誘発する可能性がある。
気密施工に注意が必要
繊維系は水分を吸収してしまと性能低下するので、防湿を考えなければならない。カビ、菌の繁殖にもつながってしまう
柱部分の木の断熱性が断熱材より劣るので全体の断熱性能を確保する為に何らかの手立てが必要
吹付による断熱(内張り断熱) セルロースファイバー、硬質ウレタン
高価である
気密性がある
種類やメーカーにより性能や特徴がことなるのでよく調べる必要がある
外貼り断熱
外張り断熱で使用する断熱材は発砲系断熱材や硬質ウレタン等があります。
メリット
構造躯体が断熱材の内側に来るので構造躯体が長持ちすると言われている。
気密が取りやすい
断熱材が取付け易い
デメリット
厚い断熱材が利用できない
重い外壁が使いにくい(外壁の安定性の問題)
湿気を吸いやすい断熱材は使えない
まとめ
どちらの工法が優れていて、どちらがダメだということではないのが、判断を難しくさせます。
一番重要なのはやはり施工する工務店の技術力や考え方になってくるしょう。
断熱や気密のことまでよく考え実践している工務店です。寒冷地ではない地域ではやはりまだまだ意識が低いように感じます。
最近でこそZEH(エネルギーゼロ住宅)などという言葉が出てきているので、断熱にも意識が向いてきていると思いますが、まだまだ太陽光発電に頼った考え方が主流です。
一度施工すると、大規模リフォームするまでは見ることもできなくなる部分なので慎重に考えたいところす。
長い目でみるとランニングコストが全然違ってきます。
断熱の工法と工務店はセットで考えなければいけないでしょう。