こんにちはトクダイです。
初期費用を抑えて自宅を手に入れる方法として中古住宅を購入するという考え方があります。
日本では中古住宅市場は欧米にくらべるとまだまだ割合が少なく、住宅の全流通量に対して約36%となっています。(2012年の統計)
ちなみにフランスは66%、アメリカで77%、イギリスで88%という結果です。
もちろん気候風土や建物の構造の違いなどがありますが、近年ではRC造のマンションも増え木造住宅でも長期優良住宅が普及し始めていることから、今後は中古住宅市場も伸びて行くと考えられています。
実際都心部での中古マンションの流通量は増加傾向にあり、東京や大阪と言った大都市圏だけで見ると、既存住宅の流通量が新築着工数を上回っています。
中古マンションの断熱事情
建築年数により、その当時の建築基準に左右されますがマンションの物件では内断熱もしくは、無断熱の物件がほとんどです。
最近のマンションでない限り、無断熱の物件が多いのではないでしょうか。
よく言われるのが、最上階と角部屋は温熱環境が悪く、北側に面する部屋は結露で壁がびっしょり濡れるというのは、断熱が施されていない証拠です。
断熱ばかりではなく、建物の温熱環境に大きく影響するのは、窓です。
最近でこそ2重サッシに変わりつつありますが、まだほとんどの住宅はシングルガラスのアルミサッシを使用しています。
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RC造のマンションは気密性がいいので、戸建住宅に比べるとマシと思われがちですが、コンクリートの断熱性はあまりいいわけではなく、熱を吸収し保持してしまうので、外の暑さ寒さを時間を掛けてゆっくりと伝えて来ます。
そのため夏は夜になっても暑さが続き、冬は暖房を消すとどんどん冷え込んでいくのがコンクリートの特性です。
海外では外断熱が主流
そのため、RC造の住宅では外断熱が良いとされていて、
海外の住宅先進国と呼ばれる欧米では、外断熱が主流です。
ドイツでは古い建物で断熱がされていない住宅でも、外断熱の改修がどんどんと進んでいます。
アルミのサッシなども海外ではほとんど利用されておらず、大部分が木製や樹脂のサッシになっています。
もちろん外断熱が万能なわけではなく、コンクリートの特性上熱を伝えてしまうため、建物全体の温度が均一化します。
そのため、空き部屋などがあり空調が出来ていないとその部屋の温度が全体に影響を及ぼします。
内部の温度を一定にする為には、セントラルヒーティングで建物全体の温度をコントロールするか、内外両方を断熱しなければいけません。
欧米ではセントラルヒーティングが標準なので問題ありませんが、日本は各戸別々に空調しているので周囲に空き部屋が多いとエアコンの効きが悪くなるなど影響が出ます。
断熱性からみるマンションの部屋の選び方
外断熱マンションの選択肢がほとんどない日本では、どんな中古物件を選べばいいでしょうか。
マンションの1室で出来る対策は内断熱のみなので、できるだけ影響範囲が狭い部屋を選ぶのが得策です。
部屋の上下左右が囲われている中住戸と呼ばれる場所が断熱性が良いと言われています。
それぞれの隣戸が断熱の役割を果たしてくれるからです。
最上階、角部屋、1階、2階でも下に部屋がない場所は避けるべき場所です。
中住戸での断熱リフォームは最低限外に面している所のみを断熱材を入れる方法も考えられます。
そうすればリフォーム範囲も少なく済ませることが可能です。
メモ
断熱改修をするのであれば、吹付硬質ウレタンフォームがお奨めです。
吹付の場合壁に密着するので、断熱と同時に気密施行も出来てしまいます。
断熱材に隙間があると壁との間に結露が生じ、カビの原因になります。
まとめ
中古マンションを選択する場合、快適な住まいにする為には断熱リフォームは必須です。
特に古い物件は断熱材が無い場合が多いでしょう。
断熱の改修は快適さだけでなく、結露予防にもなります。
結露=カビ・ダニの原因となり様々な健康被害へとつながります。
住宅を選ぶとき、間取やシステムキッチンやユニットバスなどの見える部分に関心が行がちですが、住宅で本当に大切なのは見えない部分の壁の内側や構造部分になります。
日々快適に過ごせる住まいを手に入れる為には断熱の大切さも忘れないでください。