■ はじめに
「断熱材って結局どれがいいの?」 「グラスウールってまだ使われてるの?」 「吹き付け断熱ってやっぱり人気?」
断熱材選びに悩んでいる人は多いものの、ネットには専門用語ばかりでわかりづらい情報も多く、判断が難しいのが現実です。
そこで今回は、実際に住宅の断熱工事を行っている施工業者の現場の声をベースに、2025年現在どんな断熱工法が選ばれているのか、その傾向と理由をまとめました。
■ 最近依頼が増えている断熱工法は?
複数の施工業者によると、ここ1〜2年で断熱リフォームの依頼自体が増加傾向にあるそうです。理由は明確で、
- 電気・ガス代の高騰
- 既存住宅の寒さ・暑さの不満
- 高断熱住宅への関心の高まり などが背景にあります。
その中で特に増えている工法が以下の3つです:
1. 吹き付けウレタンフォーム
- 天井・壁・床に一体で断熱層が作れる
- 気密性が高く、施工が早い
- リフォームよりも新築やスケルトン改修向け
2. 高性能グラスウール(16K〜24K)+ボード気密
- コストを抑えつつ性能も高い
- 繊維系なので防音性もあり、戸建て住宅で人気
- 職人の技術力が問われる
3. 外張り断熱(付加断熱)
- 熱橋(ヒートブリッジ)を防ぎやすい
- 内部に手を入れずに済むのでリフォーム向き
- 材料費+施工費が高めだが、満足度が高い
業者いわく、「予算が取れる方は外張りや吹付けを選ぶ傾向があるが、多くの家庭は高性能グラスウールでの付加断熱+気密処理を選ぶことでコスパと性能を両立している」そうです。
■ 材料別:プロの視点からの比較
材料 | メリット | 注意点 |
---|---|---|
グラスウール | 安価で施工実績が豊富、吸音性あり | 湿気に弱く、気密施工の精度が求められる |
ロックウール | 撥水性と防火性に優れ、カビに強い | グラスウールよりやや重く、扱いにくい |
吹付ウレタンフォーム | 気密性が高く隙間なく密着、断熱と気密を同時に確保 | 価格が高く、施工ミスがあるとリカバリー困難 |
押出ポリスチレンフォーム(XPS) | 軽量・耐水性が高く、床や基礎断熱に最適 | 屋外露出や高温環境にはやや不向き |
ビーズ法ポリスチレンフォーム(EPS) | 価格が手頃で加工しやすく、外張り断熱でよく使われる | 吸水性があるため、防湿層・防水施工が重要 |
フェノールフォーム | 断熱性能が高く、薄くても効果あり | 高価格で取り扱い業者が少ない |
セルロースファイバー | 調湿性・防音性が高く、結露・音対策にも効果 | 施工技術が必要で価格も高め |
羊毛断熱材(ウールブレス等) | 自然素材でアレルギーに優しく、調湿性あり | 高価格/入手性がやや限られる |
木質繊維断熱材(ウッドファイバー) | 調湿性・断熱性が高く、外張りにも使えるエコ素材 | 重量があり、国内では流通が少ない |
現場では「素材そのもの」よりも、「誰がどう施工するかの方が性能に大きく影響する」とのこと。つまり、素材選びにこだわるよりも、信頼できる業者に正しく施工してもらうことが最重要だということです。
■ 依頼者の傾向と住宅事情
業者によれば、断熱リフォームを依頼する人は大きく2パターンに分かれるとのこと:
- 築20〜30年の戸建て住宅のリフォーム層
- 子どもが独立し、住み替えせずに快適化を考える50代〜60代
- エアコン効率や光熱費を気にして断熱に関心を持ち始めた層
- 中古住宅購入+性能向上リノベ層(30〜40代)
- 家を安く買って断熱や気密に手を入れるのがトレンドに
- 特にリビングや寝室などの"部分断熱"から始めるケースも多い
リフォームでも新築でも、「快適に暮らしたい」というニーズの高まりが、断熱リフォームの需要を確実に押し上げているとのことでした。
■ まとめ:選ばれているのは“性能 × コスト × 職人の腕”
今、施工現場で選ばれている断熱材・工法は、素材の名前ではなく、性能・コスト・施工性のバランスで選ばれています。
- 新築なら吹付ウレタンで高性能に
- 戸建てリフォームなら高性能グラスウール+気密処理
- 改修の自由度があるなら外張り断熱
大切なのは、「何を使うか」ではなく「どう使うか」。
そして、その選択肢を正しく提案してくれる施工業者との出会いこそが、断熱リフォーム成功のカギだと言えるでしょう。
*この記事は、複数の地元施工店・断熱リフォーム経験者へのヒアリングに基づいて構成しています。